AI・SNS講座の相談増加 「月額」より先に総額と解約条件を確認
国民生活センターが9月16日に注意喚起。Web会議での勧誘は電話勧誘販売に当たる場合もある。学び直しの契約前に、月々の支払いと契約期間、やめる条件を分けて確かめたい。

国民生活センターは9月16日、AIやSNS運用などのビジネス講座を巡る相談が増えているとして、契約前の確認を呼びかけた。広告を見て自分で申し込むだけでなく、Web会議で説明を受け、その場で高額な契約を結ぶケースが目立つという。
学び直しや副業の準備で確かめたいのは、「何を学べるか」に加え、「いくらを、いつまで払う契約か」だ。月々の負担が小さく見えても、月単位でやめられるとは限らない。説明会や面接から有料講座の勧誘に変わったときは、いったん判断を持ち帰りたい。
相談件数は、講座全体の失敗率ではない
公表資料によると、ビジネス講座の相談は2025年度に3,551件。2026年度は7月31日までの登録分で1,121件となり、前年同期の821件を上回った。年度途中の数字を、前年度の年間件数とそのまま比べないことが必要だ。
対象は、仕事上の知識や技術の習得などを目的とする講座で、AI講座だけの集計ではない。また、相談件数は被害が確定した件数でも、受講者全体に占める割合でもない。資料から読み取れるのは、契約内容や解約を巡って相談につながる事例が増えているという点だ。
2025年度の相談における平均契約購入金額は、Web会議での勧誘を含む電話勧誘販売で87万円、通信販売で64万円だった。金額不明の相談を除き、0円も含めた平均であり、講座市場全体の相場を示す数字ではない。
「月額」と「契約期間」を別々に聞く
国民生活センターの事例には、月謝払いのAI講座を月単位の契約だと思っていたのに、解約を申し出ると1年契約で解約手数料が必要だと説明されたケースがある。別の事例では、副業の採用面接に応募した人が、有料研修が必要だと勧められ、ビジネス講座を契約していた。
いずれも相談として寄せられた内容で、すべての講座に当てはまる話ではない。ただ、支払う間隔と、契約で約束する期間を混同しないための手掛かりになる。説明を聞く際は、次の項目を分けて確認したい。
- 講座の内容と難易度、動画・対面・個別指導などの形式は、自分の目的に合うか。
- 契約期間はいつまでか。毎月払う方式でも、途中でやめる条件は別にあるか。
- 受講料の総額はいくらか。分割払いなら、手数料を含めた総支払額はいくらか。
- 解約の方法、申出期限、解約料、返金条件を、契約前に確認できるか。
講師の実績や専門性、受講後に身に付く技能も確認する。将来の副業収入で受講料を回収できるという説明と、現在支払える金額は別の問題だ。収入が見込みどおりにならなくても支払いを続けられるか、家計から考えたい。
Web会議を使った契約は、すべて通信販売とは限らない
国民生活センターは、Web会議サービスなどで勧誘を受けた契約は、特定商取引法の電話勧誘販売に当たる場合があると説明している。画面越しに手続きをしたという理由だけで、取引の種類を決めつけないことが大切だ。
消費者庁の案内では、電話勧誘販売に該当し、クーリング・オフの対象となる場合、法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録で申込みの撤回や契約解除ができる。一方、通信販売にはクーリング・オフ制度はない。
ただし、どの制度が使えるかは、勧誘の経緯や契約の実態などによって異なる。国民生活センターは、事業者間契約だと言われても、契約時点では実際に事業をしていないなど、実態として消費者に当たる場合にはクーリング・オフができる場合があるとしている。「副業向けだから保護されない」「ネットだから必ず解約できない」と自己判断しない方がよい。
契約を急がされたら、その場で決めない
説明会や面接の予定だったのに、有料講座の話へ変わった。広告にない高額なコースを勧められた。こうした場面では、申し込むことより、契約条件を持ち帰って読み直すことを優先したい。同センターも、当日の特典などで契約を急かされても、その場で決めず、説明が不十分なら断るよう勧めている。
すでに申し込んで不安がある場合は、広告、案内メッセージ、契約書、支払いの記録を手元にまとめ、最寄りの消費生活センター等へ早めに相談する。全国共通の消費者ホットラインは188。勧誘を受けた順序や、契約書面をいつ受け取ったかも伝えると、状況を説明しやすい。
学ぶ意欲と、目の前の講座を契約する判断は切り離せる。月額の小ささや期待する収入だけでなく、内容、総額、契約期間、やめる条件を一緒に比べることが、学び直しを無理なく続ける出発点になる。
編集部注。 本稿は2026年9月17日(UTC)に確認した日本の公表資料に基づく一般的な情報です。個別の契約の有効性や解約・返金の可否を判断するものではありません。勧誘の経緯や契約書面を整理し、消費生活センター等に相談してください。
出典
改善にご協力ください
この記事は役に立ちましたか?
匿名のご意見は、Sona Newsの記事、見出し、出典の説明を改善するために活用します。
次の記事

ネット上で収集した表示を分析すると、対象範囲が不明確なものは20種類、具体的な効果が分かりにくいものは59種類。緑の印だけで判断せず、購入前に見る順序を整理する。
続きを読む


