読書週間、絶版本を自宅で読むには 国会図書館の登録と公開範囲を確認
国立国会図書館の個人送信は、簡易登録だけでは使えない。読みたい本の公開範囲と本人確認の完了を分けて確認すると、検索後に迷いにくい。

10月27日から11月9日までは読書週間。読みたかった古い本を探すなら、書店や地域の図書館に加え、国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」も選択肢になる。絶版などで入手が難しい対象資料を、自宅のパソコンやタブレットで読める仕組みだ。ただし、検索で本が見つかることと、その本文を自宅で読めることは同じではない。
読書週間に合わせて整理したいのは、資料の公開範囲と、利用者登録の種類という二つの条件だ。新サービスの開始や、すべての絶版本の無料公開を知らせるものではない。国会図書館の現行案内を基に、読み始める前につまずきやすい点を確認する。
まず本の「公開範囲」を見る
対象は、国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版などの理由で入手困難なもの。古い本なら必ず対象になるわけではなく、個別の資料に示される公開範囲を確かめる必要がある。再び入手できる見込みなどにより、送信対象から除かれるものもある。
国立国会図書館デジタルコレクションでは、検索結果の「送信サービスで閲覧可能」という表示が目印になる。資料の閲覧画面では「国立国会図書館内/図書館・個人送信限定」という公開範囲も確認する。一方、「国立国会図書館内限定」の本文画像は、この個人送信では読めない。
本の書誌情報を見つけた段階で、全文がネット公開されていると考えないことが大切だ。資料名や著者名だけでなく、読みたい版かどうかと公開範囲を見てから、利用方法を選びたい。
IDが届いても、本登録の完了とは限らない
個人送信を使えるのは、日本国内に住む「登録利用者(本登録)」で、最新の利用規約に同意した人だ。簡易登録のままでは使えず、海外在住者も対象ではない。本登録は満18歳以上が対象で、氏名、生年月日、現住所を確認できる本人確認書類が必要になる。
ネットで新規登録を申し込む場合は、国立国会図書館サーチから手続きし、本人確認書類の画像を送る。申込受付後に利用者IDのメールが届いても、本人確認が終わるまでは簡易登録の扱いだ。本登録として利用できるのは本人確認完了後なので、IDを受け取った直後から個人送信が使えるとは限らない。
すでに簡易登録のIDがある人は、新しいIDを作り直すのではなく、利用者情報画面から本登録への移行を申請する。本登録済みなら、追加の登録は不要だ。種別が分からない場合も、まずログインして利用者情報を確認すればよい。家族のIDを共用するのではなく、本人の登録を使う。
探す場所と、本文を開く場所を分ける
国立国会図書館サーチでは、資料の検索、登録、利用規約への同意を行える。一方、デジタル化資料の本文を読む場所は「国立国会図書館デジタルコレクション」だ。名前の似た二つのサイトを行き来するため、検索画面で本文が開かないだけで利用できないと判断しないようにしたい。
サーチで対象資料を見つけたら、「収録元データベースで確認する」というリンクからデジタルコレクションへ進む。サーチにログイン済みなら、ログイン状態は引き継がれる。デジタルコレクションで直接ログインして検索する方法もある。
本文画像が出ない場合は、IDの有効性、本登録の完了、規約への同意、居住国、ログイン状態、資料の公開範囲を順に確認する。単に別のブラウザーへ替える前に、自分の登録条件と、その本の条件を切り分けるほうが問題を絞りやすい。
読めることと、自由に配れることは別
サービスの利用料は無料だが、接続する端末と回線は自分で用意する。対象資料は複数の人が同時に閲覧できるため、別の利用者が読み終わるのを待つ仕組みではない。地域の電子図書館など、ほかのサービスまで同じ条件だと考えないようにしたい。
本文画像は印刷もできる。ただし、印刷用PDFには利用者IDや氏名などが入る。読めたページをそのままSNSへ載せたり、知人へ送ったりしてよいという意味ではない。国会図書館のFAQは、スクリーンショットをメールで送信する行為やSNSへのアップロードが、法令違反になる場合があると注意を促している。
読み返したい一冊があるなら、まず検索して公開範囲を見る。次に自分の登録状態を確かめ、必要なら本登録の手続きを進める。読書週間をきっかけに昔の本へ戻る際も、「見つかった」「登録した」「読める」を分けて考えると、次に何をすべきかが見えやすくなる。
編集部注。 図書館サービスに関する一般情報です。個別資料の利用可否や複製・公開の適法性を判断するものではありません。最新の公開範囲と利用規約を確認してください。
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