リチウム電池事故は8月が最多 家の「置き場・充電・捨て方」を点検
NITEが2021~2025年に把握した搭載製品の事故は2,140件で、月別では8月がピークだった。車内や窓際を避けるだけでなく、リコール確認と地域ごとの回収方法まで一度に見直したい。

スマートフォンだけでなく、携帯用扇風機、コードレス掃除機、ワイヤレスイヤホン、電動工具にもリチウムイオン電池が入っている。製品評価技術基盤機構(NITE)が2026年7月15日に公表した集計では、2021~2025年に通知された搭載製品の事故は2,140件。2021年の301件から2025年は561件へ増え、事故発生月が分かる2,138件では8月がピークだった。
この数字には、法律に基づく重大製品事故のほか非重大事故、調査中や、原因を特定できないものの電池に起因した可能性がある事故も含まれる。すべてが暑さだけで起きたわけではない。一方、NITEは高温で電池内部の温度が上がり、異常発熱や発火の危険が高まると説明する。夏という季節を、家中の充電製品を点検する合図にするのが実用的だ。
最初に「充電して使う物」を探す
事故が最も多かった製品はモバイルバッテリーで、5年間に506件。2025年は192件と、2021年の51件の3倍を超えた。次いで電動アシスト自転車205件、充電式掃除機167件、充電式電動工具165件、ポータブル電源147件だった。外観が普通の家電でも、表示や説明書に「リチウムイオン」「リチウムポリマー」「Li-ion」「Li-Po」があれば点検対象になる。確認のために製品を分解してはいけない。
置き場は「窓際・車内・布の上」を外す
直射日光が当たる窓際、暑い日の車内、砂浜や屋外ベンチに置きっぱなしにしない。ダッシュボードだけでなく座席やトランクも高温になる。NITEの5年集計では車内事故が124件あり、モバイルバッテリーでは506件中49件だった。車から降りるときは、スマホだけでなく、扇風機、電動工具、予備電源まで持ち出したかを見る。
かばんの底で重い物に押される、後ろポケットに入れたまま座る、落とす、水にぬらすことも内部損傷につながり得る。日陰へ移せば何でも安全という意味ではない。落下後に外装が割れた、変形した、異常に熱い、膨らんだ、焦げたにおいや薬品のようなにおいがする場合は、充電も使用も止め、販売店かメーカーへ相談する。膨らみを押し戻したり、穴を開けたりしない。
充電は、起きている時間に燃えやすい物から離す
2,140件のうち1,212件は充電中に起きた。NITEの区分には、充電直後おおむね1時間以内の事故も含まれる。就寝中や外出中を避け、指定された充電器を使い、布団、ソファ、カーペット、紙類から離れた、目の届く場所で充電したい。満充電後も必要なくつなぎ続ける運用を見直し、充電できない、残量が急に減る、以前より熱くなるといった変化も記録する。
発煙や発火が始まったら、まず人を離し、煙や炎が噴き出している間は近づかない。安全に対応できる小型製品で火花が収まった後は、NITEと消防庁は消火器や大量の水による消火を案内している。ただし、対処が難しい、周囲へ燃え広がった、再び熱を持つ場合は無理をせず119番へ通報する。
型番確認は「古い製品」ほど省かない
NITEの集計では、リコール対象製品の事故が453件含まれていた。消費者庁が7月24日に公表した重大製品事故にも、2021年から回収対応中の電気掃除機用互換バッテリーが含まれる。7月22日には、2026年4月から回収とファームウェア更新の対象になったポータブル電源を含む事故も公表された。不具合が見えないことや、購入から年数がたったことは、対象外の証明にならない。製品名だけでなく、本体の型番とロット番号をメーカー、消費者庁のリコール情報サイト、NITE SAFE-Liteで照合する。
捨て方は自治体名と製品名で確認する
充電池を燃えるごみや不燃ごみに混ぜると、収集車や処理施設で圧縮・破砕された際に発火するおそれがある。メーカー回収、販売店の回収、自治体の区分は製品と地域で違う。JBRCの回収も、会員企業の対象電池で、種類を確認でき、破損・水ぬれ・膨張などがないこと等の条件がある。異常品を通常の回収箱へ入れず、自治体かメーカーへ状態を伝えて指示を受ける。
家庭で今夜できる点検は、充電して使う物を一か所に集めることではない。窓際や車内から移す、布の上で充電しない、型番を検索する、地域の捨て方を保存するという四つを、製品ごとに済ませる。便利な電池を一律に怖がるより、置き場、充電、異常、回収の順に確認する方が、8月の危険を具体的に減らせる。
編集部注。 この記事は一般的な製品安全情報です。個別製品の使用中止、回収、保管、消火、廃棄は、メーカー、自治体、消防機関の最新の指示を優先してください。
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