千葉の大雨、通帳・印鑑を失っても払戻し相談 返済・保険は先に連絡
金融庁と関東財務局・日銀が、災害救助法適用地域の被災者に柔軟対応を要請。自動適用や一律免除ではない。安全確保の後、口座・借入・保険を分け、証明書がなくてもまず相談する。

金融庁は8月14日、8月13日からの大雨で災害救助法が適用された千葉県内の被災者に対し、柔軟な対応を取るよう金融機関へ要請したと発表しました。要請は関東財務局千葉財務事務所と日本銀行が共同で出したもので、銀行などの預貯金取扱金融機関だけでなく、証券会社、生命・損害保険会社、少額短期保険業者なども対象です。
内閣府の8月14日付第3報では、適用地域は千葉県の21市4町です。千葉、市川、船橋、館山、松戸、茂原、佐倉、東金、習志野、柏、市原、八千代、我孫子、鎌ケ谷、四街道、八街、印西、白井、大網白里、富里、山武の各市と、白子、長柄、酒々井、九十九里の各町が掲載されています。適用日は8月13日で、地域が追加された場合も同様の措置を求めるとしています。対象地域は更新され得るため、相談前に内閣府の最新報を確認してください。
要請は「自動適用」ではない
最初に区別したいのは、今回の発表が金融機関への対応要請だという点です。預金が無条件で払い戻される、ローンが一律に免除される、保険金が自動的に支払われる、という決定ではありません。本人確認、被災状況、契約内容などを金融機関が個別に確認します。
一方で、「通帳や印鑑がないから相談できない」と諦める必要もありません。要請は、預金証書、通帳、届出印などを紛失した場合でも、被災状況を踏まえた確認方法で本人の申出だと確認し、払戻しに応じるよう求めています。事情によっては定期預金や定期積金の期限前払戻し、損傷した紙幣・貨幣の引換えも対象です。
実際の本人確認方法、払戻し可能額、利用できる店舗や時間は金融機関ごとに確認が必要です。危険な自宅へ通帳や印鑑を取りに戻らず、まず取引先の公式サイトで営業店舗と連絡先を確かめます。手元に残っていれば、本人確認書類、口座や取引店を確認できる記録を準備しますが、そろっていなくても紛失・避難の事情から伝えるのが出発点です。
返済日は過ぎる前に相談する
住宅ローンや事業性ローンなどについては、融資手続きの簡便化や迅速化、既存融資の返済猶予を含む貸付条件の変更を検討するよう要請されています。罹災証明書を求める手続きでも、市町村の交付状況を考慮し、現況写真など別の方法で確認したり、証明書の後日提出を認めたりするよう求めています。
ただし、返済を自己判断で止めることとは違います。引き落とし日を過ぎる前に、借入先へ「大雨の影響で何ができないか」「いつから収入や営業に影響があるか」を伝え、猶予や返済額・期間の変更が可能かを確認します。相談日時、担当窓口、提出を求められた資料は記録しておくと、後の確認がしやすくなります。
返済の見通しが立たない個人には、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」という選択肢もあります。運営機関は、今回の大雨を対象となり得る自然災害に追加しました。利用には、災害の影響で既存債務を返せない、または近く返せないことが確実と見込まれるなど一定の要件があります。災害救助法の適用市町村外に住む人も対象になり得ますが、適用は自動ではありません。手続きの最初は、最も多額のローンを借りている金融機関へ着手を申し出ることです。
保険は証券を失っても契約確認から
保険会社には、保険証券や届出印を失っていても、申告した契約内容を確認できれば保険金請求を案内するなど、可能な限り便宜を図るよう求めています。保険金はできるだけ迅速に支払い、被災状況に応じて保険料の払込猶予期間を延長することも要請項目です。
ここでも、被災したことだけで支払いが確定するわけではありません。住宅、自動車、家財、生命保険など契約を分け、各社の公式窓口へ連絡します。安全に行える範囲で被害の状態を記録し、片付けや修理を始める前に必要な写真・書類を保険会社へ確認します。証券番号が分からない場合も、契約者名や住所など、手元にある情報から照会方法を尋ねます。
連絡する順番を三つに分ける
- 口座:通帳・印鑑・カードの有無、現金の必要、利用可能な店舗や本人確認方法を取引銀行へ確認する。
- 借入:次の返済日と引落口座を確認し、難しい場合は期限前に猶予・条件変更・ガイドラインの相談を申し出る。
- 保険:契約ごとに公式窓口へ事故を連絡し、記録、請求書類、保険料猶予の取扱いを確認する。
金融庁の金融サービス利用者相談室は、平日10時から17時まで電話で一般的な相談を受け付け、ウェブでは24時間受け付けています。ただし、個別トラブルのあっせんや調停をする窓口ではありません。最初の連絡先は自分の銀行、借入先、保険会社です。書類が全部そろうのを待つより、安全を確保し、取引を三つに分けて早めに事情を伝えることが、支払日や請求手続きを取りこぼさないための現実的な一歩になります。
編集部注。 この記事は2026年8月16日06:34 UTC時点の金融庁、関東財務局・日本銀行、内閣府、自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関の公表資料に基づく一般的な相談案内です。対象地域、店舗営業、本人確認、払戻し、返済条件、債務整理、保険請求・保険料猶予の取扱いは個別に異なり、更新される場合があります。身の安全を優先し、必ず各金融機関・自治体の最新公式案内を確認してください。
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