防災週間は30日から 家の備えを「避難先・トイレ・水」で点検
8月30日〜9月5日の防災週間を前に、地図で自宅の危険を確かめ、携帯トイレ、水、食料を家族の人数と日数で棚卸しする。買い足す前に確認したい順番を整理した。

内閣府は、2026年度の「防災週間」を8月30日から9月5日までと定めている。週末に防災用品をまとめ買いする行事ではない。自宅の立地を地図で見直し、避難の判断、トイレ、水と食料、家族固有の必需品を、実際に使える状態か確かめるための一週間だ。
点検には順番がある。先に備蓄量だけを数えても、洪水や土砂災害、津波などで自宅にとどまること自体が危険なら役に立たない。まず「どこから離れる必要があるか」を確かめ、その次に在宅避難やライフライン停止への備えを見る。
最初に見るのは備蓄棚ではなく住所
国土交通省・国土地理院のハザードマップポータルサイトでは、住所や現在地から洪水、内水、土砂災害、高潮、津波などの情報を重ねて確認できる。市区町村が作成したハザードマップにも移動できるため、自宅だけでなく、通勤・通学路や家族がよく使う場所も見ておきたい。
確認するのは色の有無だけではない。指定された避難先、そこまでの経路、夜間や大雨時に通りにくい箇所、家族が別々にいる場合の連絡方法を一緒に決める。避難先や開設状況は自治体の最新情報で確かめ、地図を一度見たことだけで安全と判断しない。
2026年5月からの防災気象情報では、警戒レベル3は高齢者や障害のある人など避難に時間を要する人が動く段階、レベル4は危険な場所にいる全員が避難する段階に対応する。レベル5は安全な避難が難しい状況だ。非常食が一週間分あっても、危険な場所でレベル5を待つ理由にはならない。
見落としやすいのはトイレ
断水していなくても、停電や排水管の損傷で水洗トイレを使えないことがある。特に集合住宅では、配管の安全を確認せずに流すと下の階で汚水があふれるおそれがある。管理会社や自治体から安全が確認されるまでは、流せると思い込まないことが大切だ。
政府広報は、携帯トイレを「5〜6回×家族の人数×7日」を目安に備える方法を紹介している。これは全国一律の最低基準ではなく、点検を始めるための数え方だ。乳幼児、高齢者、服薬中の人がいる家庭、在宅時間、地域の孤立リスクで必要数は変わる。
数だけでなく、便器への取り付け方、吸収材や凝固剤の組み合わせ、使用後の袋を一時保管する場所を、製品の説明に沿って確認する。使用済み品の出し方は自治体によって異なるため、平時に収集方法を調べておく。未開封のまま棚の奥へ押し込むより、夜でも取り出せる場所にまとめ、家族で保管場所を共有したい。
水と食料は「人数×日数」で棚卸し
農林水産省は、家庭用の水を飲料・調理用として1人1日3L、食品を最低3日から1週間分備える考え方を示している。人数と想定日数を書き出し、今ある量との差を見れば、必要以上の一括購入を避けやすい。
食料は非常食だけに限定しない。米、麺、缶詰、レトルト食品など日常に使う品を少し多めに持ち、古いものから食べて補充するローリングストックなら、期限切れと食べ慣れない備蓄を減らせる。加熱が必要な食品にはカセットコンロなどの熱源も要る。アレルギー対応食、乳児用ミルク、介護食、常用薬、生理用品、眼鏡や補聴器の電池は、一般的な備蓄表とは別に家族ごとの欄を作ると漏れにくい。
今夜の点検は四つでよい
まずハザードマップを開き、避難先と経路を家族で共有する。次に携帯トイレを人数と日数で数え、使い方と廃棄方法を確認する。三つ目に水、食料、薬などの期限と不足分を見る。最後に、寝室や出口をふさぐ家具、懐中電灯やモバイルバッテリーの置き場所を確かめる。
すべてを一度に完璧にそろえる必要はない。ただし、避難判断を後回しにしないこと、トイレを水や食料の「後」にしないことは共通する。防災週間を、買った品の量ではなく、家族が迷わず動けるかを確かめる機会にしたい。
編集部注。 本稿は2026年8月28日06:29 UTC時点の内閣府、政府広報、農林水産省、国土地理院、神奈川県の公表情報に基づきます。災害リスク、避難先、収集方法は地域で異なります。実際の災害時は自治体の最新情報と避難指示を優先してください。
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