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膨張した充電池、回収先を確認 自治体と店頭で条件に差

環境省の新調査では、リチウムイオン電池などを回収する市町村は86.2%。ただし、膨張・変形品の回収方法を明示している割合は41.3%だった。処分先を探すときは、電池の種類だけでなく状態も伝える必要がある。

膨らんだモバイルバッテリーの回収確認を表す、白い携帯用電源と、その奥に離して置かれた青緑色の閉じた回収容器
膨張品は通常品と受入条件が異なる場合がある。画像は確認前の状態を表す概念イラストで、実在の製品や回収場所ではない。 AI生成画像

使わなくなったモバイルバッテリーが膨らんでいたら、近くの電池回収箱へそのまま持ち込む前に、受入条件を確かめたい。電池を回収している場所でも、膨張したものまで対象とは限らない。環境省が9月29日に公表した全国調査は、通常の回収と、膨張・変形品への対応に差があることを示している。

10月から12月は、同省の「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」の期間だ。家庭で確認したいのは、回収箱の場所だけではない。自分の製品の状態を伝えたうえで、どこが受け入れ、どう持ち込むかまで確かめることだ。

86.2%と41.3%は、何を数えた数字か

調査は全国1,741市町村を対象に行われ、すべてから回答を得た。対象は2025年度の実績で、回収体制などは2026年3月31日時点の状況。10月現在の窓口を、そのまま一覧にしたものではない。

リチウムイオン電池か、それを使う製品を回収している市町村は86.2%で、前年度より8.9ポイント増えた。一方、膨張・変形した電池や製品について、回収方法を明示して回収している市町村は41.3%だった。

ここで「残りの自治体では一切引き取らない」と読むのは正確ではない。調査資料の注記では、方法を明示していなくても、住民が持参したときには回収する市町村が「回収していない」側に含まれる。数字は受入先を探す必要性を示すが、個別の自治体が受け取るかどうかは、現在の案内や担当窓口で確認する必要がある。

店頭回収は、マークがあれば何でもよいわけではない

小型充電式電池の回収を行う一般社団法人JBRCは、対象を会員企業製で、電池の種類が明確なものとしている。破損、水ぬれ、膨張などの異常がある電池や、外装のないラミネートタイプは対象外だ。リサイクルマークの有無だけでは決まらない。

つまり、以前同じ店で普通の電池を引き取ってもらえたとしても、膨らんだモバイルバッテリーを同じ回収箱へ入れてよいとは限らない。JBRCの対象外という説明は、日本中のすべての回収制度で処分できないという意味でもない。自治体やメーカーの別の窓口を確認するための区別だ。

また、JBRCは、スマートフォンなどへの充電を主な機能とするモバイルバッテリーは本体のまま回収すると案内している。電池を取り出そうと分解しない。対象に合うか不明な製品は、メーカー名や型番、膨張の有無を伝え、判断を仰ぐのが先になる。

横浜市は、通常品と膨張品で出す場所を分ける

地域の具体例として、横浜市の案内では、小型充電式電池は「電池類」の収集日に、電池類だけを透明または半透明の袋にまとめて出す。収集日は「燃やすごみ」と同じだが、同じ袋に混ぜるという意味ではない。

一方、膨張・破損した電池やポータブル電源は集積場所に出せず、各区の資源循環局事務所への持ち込みとなる。同じ市内でも、品目や状態によって出す先が違う。これは横浜市の家庭ごみの扱いであり、ほかの自治体にそのまま当てはめられない。持ち込む前に、該当する窓口の受付時間と運搬時の注意を確認したい。

自治体のサイトを見る際は、「小型充電式電池」だけでなく、「膨張」「破損」「モバイルバッテリー」まで確認する。検索結果の短い要約に「回収可能」とあっても、本文の例外条件を省いていないか注意が必要だ。

異常がある電池を、使い切ろうとしない

製品評価技術基盤機構(NITE)は、膨らみや変形、異常な発熱などを感じた場合は使用を中止し、販売店やメーカーなどに相談するよう呼びかけている。廃棄案内に「使い切る」と書かれていても、異常のある製品を処分のために動かし続けたり、充電し直したりしない。分解して状態を確かめることも避ける。

今回の環境省調査では、廃棄物処理時にリチウムイオン電池などが原因と疑われた火災事故等は、2025年度に39,282件。この件数には発煙・発火も含まれ、職員か消防隊が消火したものは9,456件だった。家庭での製品事故件数や、原因が確定した大規模火災の件数ではない。

同省は、適切に分別されなかった電池に、処理施設の破砕機などで衝撃が加わり、発火につながるケースが多いとみている。「回収箱が使えないなら不燃ごみへ」という判断は避けたい。

確認の順序は、製品名と状態、受入先、出し方の三つ。膨張品は通常品と分けて問い合わせ、一般ごみに混ぜず、自治体やメーカーの指示を受ける。回収先が増えている今こそ、「電池なら同じ場所」という思い込みを見直すことが、家庭から先の処理工程も守ることにつながる。

編集部注。 本稿は2026年10月2日(UTC)に確認した公表情報に基づく一般的な案内です。回収条件は自治体、メーカー、製品の状態で異なります。異常がある製品は使用を中止し、扱いや運搬方法を担当窓口に確認してください。発煙・発火時は身の安全を優先し、緊急時は119番へ連絡してください。

出典

  1. 環境省|市町村のリチウムイオン電池等の処理状況調査結果(2026年9月29日公表)
  2. 環境省|調査結果概要:2025年度実績と膨張・変形品の回収に関する注記(PDF)
  3. JBRC|不要電池の出し方・回収対象と対象外
  4. 横浜市|小型充電式電池・モバイルバッテリー等の出し方
  5. NITE|製品安全情報マガジン:リチウムイオン電池搭載製品の事故(2026年8月7日)
  6. 環境省|2026年10~12月のリチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン

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Sona Newsの日本版シニアエディター、加藤 健司
執筆
加藤 健司
日本語版シニアエディター

加藤健司はSona News日本版を担当し、国際関係、アジア経済、安全保障、テクノロジーを、検証可能な文脈と実用性を重視して伝えます。

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