65歳の肺炎球菌接種、66歳の誕生日前に確認 今年度は20価へ
2026年度の定期接種はPCV20に変更されたが、対象年齢が広がったわけではない。接種歴、誕生日までの期間、自治体ごとの費用と手続きを、予約前に確認したい。

65歳で肺炎球菌ワクチンの接種を考えている人は、「年度末まで待てる」と思わず、自分の誕生日と過去の接種歴を先に確認したい。2026年度から日本の高齢者向け定期接種に使うワクチンは変わったが、対象年齢が一律に広がったわけではない。
さいたま市が10月2日に更新した案内は、接種日に65歳で、これまで成人用肺炎球菌ワクチンを一度も受けていない人などを対象とし、接種期間を「66歳の誕生日の前日まで」と明記する。大阪市の9月24日付案内も、65歳の対象期間を同じように示している。これは秋から始まる新制度ではなく、今年度の制度を予約前に確かめるための情報だ。
変わったのはワクチン、年齢枠はそのまま
厚生労働省によると、2026年4月から定期接種のワクチンは23価のPPSV23から、20価のPCV20に変更された。PCV20を1回、筋肉内に接種する。日本感染症学会などの合同委員会も、今年度の定期接種でPCV20を使うことを説明している。
厚労省が示す年齢の対象は65歳の人と、60~64歳で一定の障害がある人だ。後者は、心臓・腎臓・呼吸器の機能障害で身の回りの生活が極度に制限される場合や、HIVによる免疫機能障害で日常生活がほとんど不可能な場合を指す。「持病がある60代なら全員対象」という意味ではない。
65歳の人も、予約を入れた日の年齢だけでなく、実際に接種する日の条件を見る必要がある。大阪市は、年度内に70歳、75歳などになる人も対象にしていた経過措置は2023年度で終了したと案内している。古い広報や家族が以前受けたときの記憶だけで、今年の対象を判断しないようにしたい。
自費で受けた分も、接種歴として確認する
さいたま市と大阪市は、過去に成人・高齢者用の肺炎球菌ワクチンを接種した人は、自費で受けた場合も定期接種の対象外と説明している。新しい種類に切り替わったから、以前受けた人にも自動的にもう一度公費接種の枠ができるわけではない。
確認するのは、過去に受けたワクチンの名前、接種日、医療機関だ。手元の接種記録を探し、不明なら接種した医療機関や自治体の窓口に相談する。「肺炎の予防注射を受けた気がする」だけで未接種と扱ったり、逆に接種を諦めたりしない方がよい。
定期接種の対象外であることと、医学的に追加接種が必要かどうかは別の問題だ。接種歴や健康状態による判断は医師に相談し、公費の対象になるかは自治体に確かめる。本稿から個別の接種間隔や製品の組合せを決めることはできない。
費用と免除の書類は自治体で違う
現在の案内では、個人負担は大阪市が6,000円、さいたま市が7,900円。全国一律の料金ではなく、ここに挙げた二つの自治体の定期接種の金額だ。生活保護世帯や市民税非課税世帯などには免除の仕組みがあるが、必要な証明書類は自治体の案内を確認する必要がある。
特にさいたま市は、免除の証明書類を接種前に提示するよう求め、接種後の返金はできないと明記する。市の無料券が必要な人は、接種前に申請しなければならない。先に全額を払ってから精算すればよい、と考えないことが大切だ。
予約時には、定期接種として受けたいことを医療機関に伝え、接種日、自己負担、持ち物を確認する。さいたま市は事前予約を求めており、市外の協力医療機関などで受ける場合は、事前に市の予診票を受け取る手続きも示している。住民登録のある自治体と接種先が違う場合は、予約を確定する前に窓口へ確認したい。
「20価」は予防率を表す数字ではない
PCV20の「20」は、対象となる肺炎球菌の血清型が20種類という意味だ。20%の予防効果という意味でも、すべての肺炎を防ぐという意味でもない。厚労省は、肺炎球菌には100種類以上の血清型があると説明している。数字の大小だけで、別のワクチンとの優劣を決めることもできない。
接種部位の痛み、筋肉痛、疲労などの副反応があり、頻度は不明だがアナフィラキシーなどの重大な反応も報告されている。持病やアレルギー、以前の接種後の症状は、診察時に伝える。接種を受けるかどうかは、効果と副反応の説明を聞き、本人の意思で決めることが前提になる。
病気で長期間療養していたために対象年齢の間に受けられなかった人には、厚労省が長期療養特例を案内している。該当するかは医学的な判断が必要で、単に予約を忘れた場合の一律延長ではない。対象年齢を過ぎたからと自己判断せず、事情を自治体に伝えて確認する。
まずは接種歴と誕生日を確かめ、次に自治体の最新案内で費用と書類をそろえる。この順番なら、ワクチンが変わったというニュースと、自分が実際に利用できる制度を分けて考えられる。
編集部注。 本稿は公表された制度・健康情報の整理で、個別の接種の適否や接種間隔を判断するものではありません。健康状態や接種歴は医師に、定期接種の資格・費用・手続きは住民登録のある自治体に確認してください。
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